なぜマルタは猫の楽園?島民超えの理由と人気スポットを徹底解説
地中海の青い海に囲まれた美しい島国・マルタ共和国。世界遺産の街並みや美しいビーチと並び、世界中の旅人を惹きつけてやまないのが「猫の楽園」としての顔です。路地裏のベンチで優雅に毛づくろいをする姿や、歴史ある城壁の上で日向ぼっこをする光景は、マルタを象徴する日常風景となっています。
かつて「人口(約53万人)よりも猫の数が多い」と噂されたこの島には、なぜこれほど多くの猫が暮らし、人々に愛されているのでしょうか。2026年現在の現地のリアルな保護事情や歴史的背景、実際に多くの猫と触れ合える人気スポットまで、現地取材の知見を交えて余すところなくお届けします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:マルタに猫が多い理由は、古代の船乗りやマルタ騎士団がペスト予防の「ネズミ捕り」として重用した歴史的背景と温暖な気候にある。
- 要点2:スリーマの「インディペンデンス・ガーデン」やスピノーラ湾の「猫の銅像」など、島内各地に愛猫家必見の聖地が存在する。
- 要点3:現在はボランティアと行政が連携したTNR活動(避妊去勢)が進み、単なる野良猫ではなく「地域猫」として手厚く共生されている。
【歴史と背景】マルタ島に猫が多い理由|騎士団時代からの共生とネズミ対策
マルタ島が「猫の楽園」と呼ばれるようになった背景には、数千年にわたる地中海の交易史と深い関わりがあります。発端は古代エジプトやフェニキア人の時代に遡り、貿易船に侵入するネズミを駆除するため、船乗りたちが猫を重宝して船に乗せていたことが島への定着の始まりでした。
決定打となったのは、中世に島を統治した「聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団)」の時代です。当時、ヨーロッパ全土で猛威を振るっていたペストなどの伝染病を防ぐため、騎士団は食糧庫や病院、街中の衛生環境を守る「衛生の守護者」として猫を公式に保護・育成しました。騎士団の病院では、猫専用の食料費が計上されていたという記録も残っているほどです。
一年を通じて温暖で雨が少ない地中海性気候も、寒さに弱い猫にとって理想的な環境でした。こうした歴史と風土が重なり合い、島民たちの間に「猫を大切にする文化」が自然と根付いていったのです。
【2026年最新】マルタ島における猫の現在地とリアルな保護事情
「島民の数より猫が多い」というフレーズは観光キャッチコピーとして有名ですが、2026年現在のマルタにおける猫事情は、単なる放し飼いの時代から「計画的で人道的な地域共生」へと大きく進化しています。
現在、島内の猫たちの多くは、ボランティア団体や熱心な住民(フィーダー)によって管理される「地域猫(Community Cats)」として暮らしています。現地の動物愛護団体が主導し、行政の支援を受けながら進められているのがTNR活動(Trap: 捕獲、Neuter: 不妊去勢手術、Return: 元の場所へ戻す)です。手術を受けた猫には、目印として耳の先端を小さくカットする「サクラ耳」の処置が施されます。
無秩序な繁殖を防ぎつつ、病気の治療や適切なキャットフードの給餌を行うことで、一代限りの命を全うできるよう地域全体で見守るシステムが確立されました。街角に設置された清潔な給水スポットや木製のキャットハウスは、住民たちの深い愛情の証です。
【名所ガイド】出会える確率が高いマルタの厳選猫スポット5選
マルタ観光の合間にぜひ立ち寄りたい、猫たちとの遭遇率が極めて高い名所を紹介します。
① スリーマ「インディペンデンス・ガーデン(Independence Garden)」
海岸沿いの遊歩道に隣接する美しい公園で、通称「キャットパーク」とも呼ばれます。カラフルにペイントされた巨大な猫のオブジェが目印で、公園内にはボランティアが管理する木造の猫小屋がずらりと並びます。人懐っこい猫が多く、ベンチに座っているだけで膝に乗ってくることも珍しくありません。
② セントジュリアンズ「スピノーラ湾の猫の銅像」
活気あるリゾートエリア・セントジュリアンズのスピノーラ湾沿いには、マルタの著名な芸術家が手掛けた「巨大な猫のブロンズ像」が鎮座しています。像の下や周囲の階段は本物の猫たちの昼寝スポットになっており、絶好のフォトジェニックエリアです。
③ 静寂の古都「イムディーナ(Mdina)」
かつての首都で、高い城壁に囲まれたイムディーナの細い路地は、静けさを好む猫たちの隠れ家です。蜂蜜色のマルタストーンの壁と気品漂う猫の組み合わせは、まるで中世の絵画のような美しいコントラストを生み出します。
④ 首都ヴァレッタ「アッパー・バラッカ・ガーデン」周辺
グランドハーバーを一望できる絶景公園の周辺や、ヴァレッタ特有の急な階段が続く路地裏にも多くの地域猫が暮らしています。観光客慣れしており、カメラを向けても堂々としたポーズを見せてくれます。
⑤ ゴゾ島の農村エリアとチタデル
マルタ本島からフェリーで約25分のゴゾ島は、本島以上にのんびりとした空気が流れる島です。要塞チタデルの周辺や素朴な港町では、地元の人々と家族同然に過ごす穏やかな島猫たちに出会えます。
【旅の計画】猫カフェ事情とお土産に喜ばれる限定猫グッズ
街歩きでの猫探しに加えて楽しみたいのが、現地のカフェ巡りとお土産選びです。
マルタでは屋外にたくさんの地域猫がいるため、日本のような時間制の猫カフェは少数派ですが、保護猫の譲渡活動を兼ねたコンセプトカフェや、猫が自由に出入りするテラス席付きのカフェが点在しています。オープンエアの席でエスプレッソを味わいながら、足元にすり寄ってくる猫と過ごす時間は格別です。
また、猫モチーフのお土産も充実しています。伝統工芸である「マルタガラス」で作られた色鮮やかな猫の置物や、銀線細工(フィリグリー)の猫ペンダントは女性を中心に高い人気を誇ります。さらに、地元の動物保護団体が販売しているチャリティーカレンダーやエコバッグを購入すれば、売り上げの一部が現地猫の医療費やフード代に充てられるため、旅の記念としても実用的で意義深い選択肢となります。
【旅行記・マナー】現地取材で見えた「ねこ島観光」の注意点と心得
マルタでの猫との触れ合いを心から楽しむためには、旅行者としてのマナーと配慮が欠かせません。現地を訪れる際は、以下の点に留意してください。
まず、人間の食べ物を絶対に与えないことです。マルタの地域猫は専任のボランティアから栄養バランスの整ったキャットフードを受け取っています。塩分や油分の多い人間の食事は、猫の健康を大きく損なう原因になります。触れ合う際は、無理に追いかけたり抱き上げたりせず、猫の方から近づいてくるのを静かに待つのが鉄則です。
写真撮影の際はフラッシュを必ず切り、現地の住居の敷地内に無断で立ち入らないよう注意しましょう。また、触れ合った後は感染症予防のため、ウェットティッシュやアルコールジェルで手指を清潔に保つことも大切です。
【マルタ 猫】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:マルタには本当に人間より猫が多いのですか?
A1:かつては数十万頭の猫が生息し、人口を上回ると言われていましたが、近年の徹底したTNR活動(避妊去勢手術)により、現在は過剰な個体数増加が抑制され、適正な頭数で安定しています。それでも街中の至る所で日常的に猫に出会える環境は健在です。
Q2:観光客が街の猫にキャットフードをあげても良いですか?
A2:基本的には現地の登録ボランティアが適切な時間と場所で管理給餌を行っているため、観光客が勝手にエサを与えることは推奨されていません。どうしてもお世話をしたい場合は、保護団体への寄付やチャリティーグッズの購入を通じた支援が最も歓迎されます。
Q3:猫に出会いやすいベストシーズンや時間帯はありますか?
A3:気候が穏やかな春(4月〜6月)や秋(9月〜10月)が最もおすすめです。真夏の昼間は猫たちも日陰に隠れて眠っていることが多いため、涼しくなる朝方や夕暮れ時の散策が出会いのチャンスを高めるポイントです。
まとめ:人と猫が共生する美しき地中海の島を訪ねて
マルタ共和国が「猫の楽園」と呼ばれる真の理由は、単に頭数が多いからだけではありません。古代からの歴史の中で猫をパートナーとして尊重し、現代においても地域全体で命を守り育てる島民たちの温かいホスピタリティがあるからです。
歴史ある石畳の街並みと、そこで悠々自適に暮らす猫たちの姿は、訪れる人々の心を穏やかに癒やしてくれます。正しいマナーを守りながら、人と動物が見事に調和する地中海の美しい日常に触れる旅へ出かけてみませんか。 (出典: マルタ 猫(Yahoo!ニュース))